この記事は、Office 365 Advent Calendar 2015 に参加しています。12 日目の投稿になります。11 日目の記事は「kazuakix の日記 – Exchange Online のメールセキュリティ機能」でした。

Office 365 Advent Calendar 2015
http://www.adventar.org/calendars/790

kazuakix の日記 – Exchange Online のメールセキュリティ機能
http://blog.kazuakix.jp/entry/2015/12/11/004455

さて、今回は 2015 年も終わりに近づいていますが、いま現在の Office 365 で利用できるコミュニケーションに関する機能についてまとめたいと思います。

サイト(SharePoint Online)

まずは、みなさんご存知の SharePoint Online です。オンプレミス版の SharePoint Server 2016 のリリースを来年 2016 年に控えていますが、オンライン版は一足先に SharePoint Server 2016 の機能が実装されてるように思います。

SharePoint はこれまで様々な機能が追加され、そして多様な利用シーンに対応できるように拡張されてきた製品かと思います。それゆえに、「SharePoint って一体何?何ができるの?」という声も多く聞かれます。

Office 365 に関しては、後述する Office 365 Groups や、OneDrive for Business などの SharePoint の技術をベースとした他のサービスの進化が早く、コミュニケーションという観点では SharePoint Online が担う役割が少し変化してきたのではないでしょうか?

従来のドキュメント・予定・タスクの共有を主としていたチーム サイトの利用シナリオは Office 365 Groups の利用に役割を置き換えることもできますし、メディア ライブラリを利用していた動画ファイルの共有は、Office 365 Video に置き換えることもできます。しかもそうした新しいサービスでは、iOS や Android といった主要なスマートフォンやタブレットでも利用可能なアプリが提供されています。

2016 年以降の SharePoint Online の利用シナリオとしては、組織内の公式な情報を発信・共有するためのポータル サイト、組織内の資料を体系化し共有するためのドキュメント共有・管理のシナリオが主になっていくのかもしれません。また、周辺の製品では世界的に人気のある SharePoint ワークフロー拡張ソリューションを提供する Nintex の日本法人である Nintex Japan が立ち上がりました。こうした動きもあり、ワークフローも注目ですね。

Nintex Japan
http://ja-jp.nintex.com/

メール・予定表・タスク・連絡先(Exchange Online)

つぎは、メールや個人の予定・タスク管理などの機能を提供する Exhange Online です。社外とのコミュニケーションでは、やはりメールが中心となる部分も多いかと思います。Outlook との組合せで利用するのが一般的ですが、ブラウザ版の Outlook on the Web がコツコツと進化してきています。

また、社内のコミュニケーションにおいては、メールの添付ファイルとして OneDrive for Business に保存されているドキュメントを画面を切り替えることなくシームレスに利用できる機能が追加されています。

これにより、メールで連絡を取りながらひとつのドキュメントを共同編集するといったシナリオがより簡単に行えるようになりました。

iOS や Android では、ActiveSync での利用や Outlook アプリが提供されています。

Skype for Business

インスタント メッセージやビデオ/音声会議などの機能を提供するのが Skype for Business です。以前は Lync と呼ばれていましたが、コンシューマー向けのブランドと統一されて Skype に名称が変更されました。

ここ最近では、多くのパソコンにカメラが搭載されており、ビデオを利用した会議も多く見られるようになってきたように思います。利用者としての実感としては、特に電車等での移動を要する距離での 15 分から 30 分ほどの打合せでの利用に効果絶大で、移動時間の削減やコミュニケーションの機会創出に効果が出てきたように思います。

また、多くの利用者がきちんとログインするようになってくると、在籍情報を示すプレゼンスにより相手の状態を確認できることが大きな効果を持ってくるように思います。誰かに連絡を取ろうとした場合、その手段が電話であってもメールであってもインスタント メッセージであっても、相手の状態を知っているというのは、より容易にコミュニケーションが行えるように感じます。

Skype for Business も iOS、Android 用アプリが提供されています。(Android 用は、まだ Lync 2013 かな?)

(2016/1/14 追記)確認したところ、Android 用も Skype for Business に変わっていました。

OneDrive(OneDrive for Business)

OneDrive for Business は、クラウド上にある個人のファイル ストレージです。ユーザー毎に 1TB の容量が確保されており、ブラウザでの利用でもデスクトップからドラッグ & ドロップでファイルを簡単にアップロードすることができます。

近ごろでは、コンシューマー向けの OneDrive のユーザー インタフェースへ近づく方針での変更が進んでおり、ドキュメントのサムネイル表示も可能となるなど進化を続けているサービスです。この新しいユーザー インタフェースでは、Google Chrome を利用している場合はフォルダーごとドラッグ & ドロップでアップロードができます。

ただし、現在利用できるパソコン版の同期クライアントは、動作が安定していないのも事実です。そのため Microsoft は、新しい同期クライアントを開発しています。希望者を対象としたプレビュー プログラムも終了し、そろそろ正式リリースが近いのではないでしょうか?新しいクライアントでは、同期パフォーマンスの安定性や速度向上のほか、フォルダーを選択した同期も可能となります。

(2015/12/18 追記)新しい OneDrive for Business 同期クライアントがリリースされました!!

OneDrive for Business update on storage plans and Next Generation Sync Client
https://blogs.office.com/2015/12/16/onedrive-for-business-update-on-storage-plans-and-next-generation-sync-client/

新しい OneDrive for Business 同期クライアント (OneDrive for Business 次世代同期クライアント) に関するご質問 (FAQ)
https://community.office365.com/ja-jp/f/329/t/423483

コミュニケーションにおいて、OneDrive for Business がより効果的だと思うシナリオは、スマートフォン、タブレットと合わせて利用した場合です。OneDrive for Business を介することで複数のデバイスで同じドキュメントを閲覧することができるほか、Office ファイルの場合、OneDrive for Business に保存されたドキュメントはモバイル版 Office がインストールされていないデバイスでも Office Online を利用しブラウザのみで閲覧ができます。だれかにメールでファイルを送るときに、代わりに OneDrive for Business 上のドキュメントの URL を送ることで、相手はスマートフォン、タブレットでドキュメントをダウンロードすることなく内容を確認することができるようになります。

ただ、Office Online では、特に Excel ファイルで対応していない機能が多くあるので、このあたりは今後の進化へ期待でしょうか。たとえば、下記の記事では「ブックにコメント、図形、インクなどのオブジェクトが含まれている場合、ブック内のデータは表示できますが、これらのオブジェクトはブラウザーで表示できません。」と記載があります。

Excel Online によりサポートされていない機能が含まれるブックを編集する
https://support.office.com/ja-jp/article/Excel-Online-によりサポートされていない機能が含まれるブックを編集する-7220105d-97ad-4c35-95c8-58d4bbfd14af

iOS、Android 用アプリは、コンシューマー向けの OneDrive アプリと共用です。

Yammer

組織内版ソーシャル ネットワークの Yammer です。最近では、Yammer へアップロードした Office ファイルを Office Online で閲覧・編集ができるようになったほか、元々独自管理であったアカウント管理について Office 365 ユーザーのアカウントとの統合がコツコツと進んでいます。ユーザー インタフェースの変更も継続して進められています。Office 365 コミュニティ フォーラムを見ていても Yammer に関する質問が増えてきており、利用されている方が増えているように感じます。

Yammer も iOS、Android 用アプリが提供されています。

Office 365 Video

ここからは少しづつ新しい機能を紹介します。まずは、Office 365 Video です。これは、組織内で動画を共有するための機能です。SharePoint Online でもメディア ライブラリを利用し動画の共有はできますが、Office 365 Video ではより高度なオンデマンド ストリーミング配信に対応しています。この機能は、オリンピックなどの大規模動画配信でも利用されている Azure Media Services がバックエンドで利用されており、視聴者側のネットワーク帯域などに応じて配信品質を自動調整してくれます。

組織内では、勉強会・セミナーなどの動画を共有したり、製品やアプリケーションのマニュアル動画を共有するといった利用ができると思います。

そういえば、先日公開されたヤンマーさんの Office 365 導入事例でも、操作方法を動画で共有していると書かれていました。※ ただし、ヤンマーさんの事例では SharePoint Online を利用し動画を共有しているようです。

ヤンマー株式会社 – マイクロソフト導入事例 – Microsoft for Business
https://www.microsoft.com/ja-jp/casestudies/yanmar.aspx

Office 365 Video は iOS 用アプリが提供されています。Android 用アプリは、まだありません。(たぶん…、ただし、ブラウザで利用できます)

Skype 会議メディア(Skype Meeting Broadcast)

同じく動画配信のための機能ですが、新たにリアルタイム配信を行うことができる Skype 会議メディア(英語名: Skype Meeting Broadcast)が登場しました。この機能を利用することで、Skype for Business クライアントを利用し、最大 10,000 人に動画を配信することができます。

組織内の全ユーザーへのセミナー・講演などの動画配信にも利用ができそうです。こちらの機能も Azure Media Services が利用されているようです。

初めは少し使い方がややこしいですが、マニュアル通りに操作することで簡単に試すことができました。

Skype 会議メディアとは
https://support.office.com/ja-jp/article/Skype-会議メディアとは-c472c76b-21f1-4e4b-ab58-329a6c33757d

iOS や Android からは、Safari などのブラウザから動画を視聴することができます。

Office 365 Groups

こちらは、組織内の複数ユーザーで、メッセージ(スレッド)や予定表、ファイル、ノートブック(OneNote)を共有することができる機能です。Outlook on the Web や OneDrive for Business の画面から利用することができます。

利用/管理のポリシーにもよるとは思いますが、ユーザーがいつでも必要なタイミングで、必要なユーザーをメンバーとし新たなグループを作成することができます。

これまで SharePoint Online のチームサイトで単純なファイルや予定の共有を行っていた場合などは、Office 365 Groups の利用も検討できるかと思います。スマートフォン用のアプリもリリースされています。

Office 365 Groups の iOS、Android 用アプリは先日ついに日本語にも対応しました。「Groups」「Outlook Groups」というアプリ名で提供されています。

Outlook グループ アプリ: 新たに 11 言語に対応し、新機能も追加
https://community.office365.com/ja-jp/b/office_365_buzz/archive/2015/12/09/outlook-groups-now-supports-11-new-languages-and-more

Delve

これまで紹介したそれぞれの機能に格納されているドキュメントを一括で検索できたり、人気のあるドキュメントやつながりのあるユーザーのドキュメントを自動的に表示してくれたりする機能です。Office 365 の利用が進んでくると、格納、共有されるドキュメントも増えてきます。Delve を時々覗くと他のユーザーが作成したこれまで気づかなかったドキュメントを見つけたりなど、新しい発見がありちょっと面白いです。

こちらも iOS、Android 用アプリが提供されています。

PowerApps

ここまで紹介してきて、何か足りないと思いませんか?そうです!!SharePoint Online には iOS、Android 用アプリが用意されていません。「Newsfeed」というアプリが提供されていますが、限定的な用途でした。先日発表された PowerApps は、SharePoint Online の用途を広げる可能性があるサービス・アプリのように思います。

PowerApps は、とてもに簡単にスマートフォンやタブレット向けのアプリを作成できるサービスです。これを利用することで、SharePoint Online を含めた様々なデータソース(プレビューでは、SharePoint Online、Excel on OneDrive、Salesforce、Dropbox、Google Drive、Dynamics CRM Online、Twitter、Bing、また、プランによりオンプレミスの SQL Server など)へアクセス可能なスマートフォン、タブレット向けアプリを作成可能です。

チュートリアルの動画を見る限りではですが、アプリ作成のためのレイアウト テンプレートが複数用意されており、たとえば、全ユーザーが閲覧する掲示板などのスマートフォン対応も簡単なものなら数分で作成できるのではないでしょうか?そのほか、期間限定のアンケートをスマートフォンへ対応させたり、飲み会の出欠フォームをスマホに対応させたりといった、アプリを気軽に作成できるからならではの用途も考えられます。

現在はまだプレビューへの参加申請ができるだけの段階ですが、早く試してみたい新サービスです。プレビュー期間のあいだは、Windows 8、Windows 10、iOS 9 以上のデバイスのみに対応し、Android への対応は少し後になりそうなので、試される場合には注意が必要です。

Microsoft PowerApps
https://powerapps.microsoft.com

さいごに

2015 年も Office 365 には様々な機能やサービスが追加され(削除された機能もありますが…)、Office 365 を利用できるシーンも多様になっています。こうした多くの機能やサービスをまずは触ってみて、適用できそうな業務があれば利用してみるのが良いのかなと思います。今回は紹介できていない機能も含め、すべての機能をムリに利用する必要はありませんが、必要なときに利用できる”かもしれない”機能がこうして日々増え続けているのもクラウドサービスのメリットのひとつと感じています。

コミュニケーションの方法はひとつではありませんし、その時々によって最適な方法が異なると思います。いま最適だと思っている方法でも、来年には違う方法を選択したくなっているかもしれません。Office 365 は、オンプレミスとは違い、なにか新しいことを試すためにサーバーの準備・構築といった作業は必要ありません。これからも気軽に新しい機能やサービスを試してみて、その使い方を考えていきたいとおもいます。

Office 365 Advent Calendar 2015、13 日目の投稿もお楽しみに。