オーランドで開催されている Microsoft の年次大型イベントである Microsoft Ignite 2017 に参加しています。オーランドはリゾート地のためか、雰囲気がのんびりとしていて良いですね。さて、初日と 2 日目が終わって、SharePoint 関連のアップデートも数多く(ホントに多くて追いきれない)発表されています。3 日目以降でも、発表された機能の少し詳細な紹介や Deep Dive なセッションが続くのですが、まずは、どういったものが発表されたかを振り返りたいと思います。

すべては紹介しきれませんので、会場での反応が良かったものをまずはざっと紹介していきたいと思います。

OneDrive for Business

OnrDrive for Business については、数多くの新機能が発表されています。

まずひとつは、これまでもアナウンスがされていた Windows 10 Fall Creators Update で提供される File On-Demand Sync の機能です。OneDrive に保存したファイルを必要になったタイミングでローカルに同期させて利用することで、OneDrive の巨大なストレージを有効活用できるようになります。

そして、270 以上の種類のファイルをソフトウェアのインストールなしでプレビューが可能になります。

つぎに、新しい外部共有の仕組みが発表されました。従来の外部共有では、共有される側の要件として Microsoft アカウントが必要になりましたが、この新しい外部共有では不要になります。では、どうやって共有するのかというと、ワンタイム パスコードを発行する形になります。共有された側のユーザーはアクセス時にこのパスコードを使うことでファイルの閲覧が可能になります。

会場から大きな声が上がった機能では、Zip ファイルのサポートがありました。OneDrive に保存した Zip ファイルの中身をそのままブラウザ上で確認できるというものです。これはすごく便利そうだと思います。

そのほか、SharePoint 2019 での On-Premise サポートや、グローバル展開している企業にはうれしい Multi-Geo の機能も発表されたほか、ファイル共有時の URL が短いものになるようで歓声が上がっていました。

今後としては、VDI 環境のサポートや、ファイルの状態を特定の日時の状態に戻すことができる Restore my OneDrive も紹介されていました。

OneDrive Announcements at Ignite 2017
https://techcommunity.microsoft.com/t5/OneDrive-Blog/OneDrive-Announcements-at-Ignite-2017/ba-p/108533

コミュニケーション サイト

ここから SharePoint ですね。

最近登場したコミュニケーション サイトですが、これからもますます機能が強化されていくようです。

ひとつは、利用できるパーツの数が増えたり、更新されたりということで、新しいパーツとしては、Planner、Microsoft Forms、Twitter や Connectors などが追加されます。これまでのパーツとも組み合わせることで、社内外のさまざまな情報を集約して共有ができるようになりそうです。特にテキストパーツの機能が大幅に更新されることで、表現力が格段に高くなったような気がしました。

そのようなパーツを利用して作成されたページやニュースの更新情報をユーザーへ届けるための機能として Promote 機能が良く紹介されていました。コミュニケーション サイト上で作成されたニュースのダイジェストなどを簡単に作成してメール送信までを行ってしまうという機能です。これまでは人が手作業でこういったダイジェストを作成して毎週メール配信するなどの運用が良く見られたのですが、そうしたことがより早く簡単にできるようになります。併せてモバイル用のアプリも更新されています。

Refine your message and increase your reach with SharePoint communication sites
https://techcommunity.microsoft.com/t5/SharePoint-Blog/Refine-your-message-and-increase-your-reach-with-SharePoint/ba-p/109553

ちなみに、こうした機能は、コミュニケーション サイトだけではなく、チーム サイトでも同様に利用できます。いわゆるモダン ページ向けの機能更新ということですね。

チームサイトや PowerApps と Flow

SharePoint Online リストの入力フォームが PowerApps で作成可能になり、また、ページにも作成したフォームを埋め込んで利用できるようになります。

そしてリストと Flow の統合がさらに進み、リストに対して作成した Flow のフローをユーザーが簡単に実行できるようになります。

あとは、これまで JS リンクで行ってきたようなリスト アイテムの列の表示形式を簡単なコードで(将来的にはノンコードで)カスタマイズができるようになる Column Formatter という機能がもう少しで登場します。どんなコードかと言うと、すでにサンプルが公開されています。

Custom Formatting – Try it out yourself!
http://customformatter.sharepointpnp.com/

こうした機能の実装も進み、いよいよモダン UI のリストを利用するモチベーションも上がってきそうです。このあたりは早くいろいろ試したいですね。

そしていよいよリストのアイテム数制限(ビューの制限)も完全に撤廃(ホントかな?)ということでした。

Work better together with SharePoint team sites Office 365 app integrations
https://techcommunity.microsoft.com/t5/SharePoint-Blog/Work-better-together-with-SharePoint-team-sites-Office-365-app/ba-p/109550

Reinvent business process in SharePoint and OneDrive
https://techcommunity.microsoft.com/t5/SharePoint-Blog/Reinvent-business-process-in-SharePoint-and-OneDrive/ba-p/109490

検索

SharePoint Home からのパーソナライズ検索がより高速に、そしてファイルのプレビュー機能が強化されより分かりやすく、さらには検索後のフィルターもより簡単で探しやすくなります。

デモで盛り上がっていたのは、ライブラリに保存されたレシートの画像の中に含まれる文字も検索対象になるというものでした。このあたりの機能も早く使いたいですね。

Find what you want, discover what you need with personalized intelligent search across Microsoft 365
https://techcommunity.microsoft.com/t5/Intelligent-Search-Discovery/Find-what-you-want-discover-what-you-need-with-personalized/ba-p/109590

あとは、Bing for Business といった新しいサービスの発表もありました。

SharePoint ハブ サイト

SharePoint Online は、Office 365 Groups や Microsoft Teams などに紐づくチーム サイトや、コミュニケーションサイトなど、ユーザーが簡単に自由にサイトを作成していくことが可能になっていきます。そうしたときに、サイトを目的や用途、情報の分類ごとにまとめていくための機能として Hub Sites(ハブ サイト)という新しいサイトが登場します。

これは、ひとつのハブ サイトに複数のチーム サイトやコミュニケーションサイトを紐づけられる機能で、これによりニュース更新情報の集約やサイト間で統一されたナビゲーション、統一されたサイト ロゴやテーマなどが利用できるようになるようです。

このハブ サイトの展開は 2018 年とのことですが、これまでのサブ サイトとは別の方法、考え方でサイト構造を作っていくことができます。また、ハブ サイトとの接続や切断は簡単に行えるため、組織やビジネスの変更に柔軟に対応していくことができるようになります。

SharePoint hub sites new in Office 365
https://techcommunity.microsoft.com/t5/SharePoint-Blog/SharePoint-hub-sites-new-in-Office-365/ba-p/109547

新しい SharePoint Online 管理センター

SharePoint Online 管理センターが新しくなり、やっと Office 365 Groups などによって作成されたサイトも一元管理ができるようになります。

新しい管理サイトでは、サイト コレクションの一覧からサイト管理者に連絡メールを送ったり、Office 365 グループにされたチーム サイトやコミュニケーション サイトの作成もでき、サイト管理者の変更も容易に行えるようです。日々の運用では助かる場面が多そうです。海外でも SharePoint Online 管理センターの設定項目がどこにあるか分かりづらいという声も多かったようで、大幅に UI が刷新されることになります。ただ、設定項目が整理される一方で、PowerShell を使わないと設定できない項目も出てくるかもしれません。

Office 2019 は 2018 年後半にリリース

オンプレミスの次のバージョンは 2019 であることが発表され、Office クライアントや、Exchange そして Skype と共に 2018 年の後半にリリースされることが発表されました。プレビューの提供が 2018 年の中ごろとのことなので、詳しい情報はこれからですかね。

The next perpetual release of Office
https://blogs.office.com/en-us/2017/09/26/the-next-perpetual-release-of-office/

移行ツール

オンプレミスの SharePoint Server やファイル共有から SharePoint Online や OneDrive へファイルを一度に移行できる移行ツールが登場しました。こちらのツールは、すでに Preview を試せるようです。

Introducing the SharePoint Migration Tool from Microsoft
https://techcommunity.microsoft.com/t5/SharePoint-Blog/Introducing-the-SharePoint-Migration-Tool-from-Microsoft/ba-p/109767

Introducing the SharePoint Migration Tool
https://support.office.com/en-us/article/9c38f5df-300b-4adc-8fac-648d0215b5f7

OneDrive に関しても、他のクラウドサービスやファイル共有からのセルフサービスでの移行ツールが提供されます。

SharePoint Framework

開発者向けの話題としては、いよいよ SharePoint Framework Extensions が GA となりました。これによりモダン サイトのヘッダーやフッター、リスト ビューのカスタマイズなどが可能になります。

さいごに

発表された内容も多くとてもすべては紹介しきれませんので、会場での反応が良かったものについて紹介してみました。テキストだけじゃわからない部分もあると思いますので、のちに公開される動画や資料をチェックいただければと思います。他には Office 365 全体の管理まわりや、Yammer も数多くの新しい機能が紹介されていました。

アメリカでのカンファレンスに参加するたびに思うのは、SharePoint に対する注目や人気の高さです。Vice President である Jeff Teper のセッションでは、1000 人以上が軽く入るような会場が満員で、新しい機能が発表されるごとに大きな歓声が上がっていました。その Jeff Teper による公式まとめは下記のページです。

Connecting the modern workplace with SharePoint and OneDrive: Announcements at Ignite 2017
https://techcommunity.microsoft.com/t5/SharePoint-Blog/Connecting-the-modern-workplace-with-SharePoint-and-OneDrive/ba-p/110399

また、Jeff Teper のセッション動画はこちら。

Accelerate your digital transformation with SharePoint and OneDrive
https://www.youtube.com/watch?v=fuo8ufWE_IQ

これからもますます SharePoint が盛り上がっていきそうです。