企業向け Office 365 と個人向け Office 365 について考える

Office 365
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個人向け Office クラウドサービスとして、10月17日から Office 365 Solo が提供開始されました。

Office 365 Solo
http://office.microsoft.com/ja-jp/FX104365533.aspx

その後、Office 365 Solo の契約者には、OneDrive の容量が無制限になるなど提供開始直後からサービスの充実が図られているサービスですが、日本国内だけの特徴があります。それは、ライセンス上「ビジネス」での利用が認められているという点です。実は、海外で先行し提供されていた個人向け Office 365 サービスの「Office 365 Home」「Office 365 Personal」ではビジネス利用が認められておらず、日本独自のライセンスとなっています。となると、気になるのは日本でも以前より提供がされていた企業向け Office 365 Business/Enterprise/ProPlus(特に ProPlus)との違いです。近頃発表された機能追加も含め、こちらを考えてみたいと思います。

(2014/11/20)iPad や iPhone 版 Office の商用利用については、Office 365 コミュニティ ブログでも説明されていましたのでご紹介します。

Office for iPad / Office for iPhone – 商用利用に必要なライセンス
http://community.office365.com/ja-jp/b/office_365_community_blog/archive/2014/11/19/office-for-ipad-and-iphone-use-right.aspx

アカウントの管理

ひとつは、Office を利用するためのアカウントの管理です。Office 365 Solo は、各個人が保有する Microsoft アカウントによる利用が必要になっていますが、企業向け Office 365 では組織で管理されるアカウントや組織にあらかじめ導入されていた Active Directory との連携が可能になっています。そのため、新規アカウントの発行や削除が管理者により集中管理することが可能になります。

OneDrive と OneDrive for Business の違い

同じようなサービス名で提供されているものの、違いが大きいのは OneDrive と OneDrive for Business ではないでしょうか?OneDrive for Busienss は、SharePoint のドキュメント ライブラリを基に実装されてきた経緯もあり、機能や制限事項に大きな違いがあります。現時点においては、個人向け OneDrive のほうが機能的に優れていると思いますが、集中管理という観点ではやはり OneDrive for Business になります。OneDrive for Business の管理もアカウント管理と密接に紐づいており、アカウント削除後に一定期間を置いて自動削除されますし、各ユーザーの OneDrive の管理者(フルコントロール権限)をシステム管理者が任意に設定することも可能になっています。

スマートデバイスの管理

こちらは、いわゆる MDM と呼ばれる機能で、10月末の TechEd Europe にて新たに提供が発表された機能です。近頃、iOS 向けの Office クライアントが刷新され話題にもなりましたが、そうしたスマートデバイスの管理機能の一部が、企業向け Office 365 では標準機能として提供がされるとのことです。提供開始は 2015年第1四半期とのことでまだ少し先ですが、これにより個人のデータは残したまま、企業のデータのみをワイプすることが可能になったり、デバイス側のパスワードポリシーの集中制御などが可能になるようです。

Introducing built-in mobile device management for Office 365
http://blogs.office.com/2014/10/28/introducing-built-mobile-device-management-office-365/

さいごに

ここまで簡単に違いを見てきましたが、大きな違いはやはり管理者による「集中管理・制御」が可能か否かに尽きると思います。個人または数人で利用するのであれば、Office 365 Solo でも運用は可能かと思いますが、一定数以上の組織や企業で利用するとなると、企業向け Office 365 プランに優位な点が多くあります。

とはいえ、個人での利用を考えたときには、Office 365 Solo はすごく魅力的です。特に、OneDrive の容量が無制限と Skype の通話毎月 60 分がセットで付いてくるのは嬉しいですね。個人で利用するパソコンでは、Office 365 Solo を契約しようかと考えています。

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