コミュニケーション編 Office 365 で利用できる機能・サービス(2016 年 12 月版)

Office 365
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この記事は、Office 365 Advent Calendar 2016 に参加しています。昨日の記事は、「初心者備忘録 – Visio Online の機能を JavaScript で拡張する方法」でした。

Office 365 Advent Calendar 2016
http://www.adventar.org/calendars/1396

初心者備忘録 – Visio Online の機能を JavaScript で拡張する方法
https://www.ka-net.org/blog/?p=7770

Office 365 Advent Calendar には昨年も参加しており、「コミュニケーション編 Office 365 で利用できる機能・サービス(2015 年 12 月版)」を投稿したところなかなか評判が良かったので、今年はソレの 2016 年版を投稿します。今年の Office 365 をおさらいして、来年に備えたいと思います。ちなみに昨年の記事は下記です。

コミュニケーション編 Office 365 で利用できる機能・サービス(2015 年 12 月版)
https://idea.tostring.jp/?p=1921

では、そろそろ本題に移ります。今年は新しく発表された機能も多く、数が多くなってしまいますが下記の機能について書きたいと思います。

  1. SharePoint Online
  2. Exchange Online
  3. Skype for Business
  4. Skype 会議ブロードキャスト
  5. OneDrive for Business
  6. Office Online / Office 365 ProPlus
  7. Office 365 ビデオ
  8. Yammer
  9. Office 365 グループ
  10. Office Delve
  11. Microsoft PowerApps
  12. Microsoft Flow
  13. Office Sway
  14. Power BI
  15. Microsoft Planner
  16. Microsoft Teams
  17. Microsoft StaffHub
  18. Outlook Customer Manager
  19. Microsoft Bookings

SharePoint Online

おそらく従来より提供されているサービスのうち、今年もっとも目に見える変化が大きかったサービスが、この SharePoint Online ではないでしょうか?今年 5 月には、サンフランシスコで「The Future of SharePoint」というイベントが開催され、そこでオンプレミスの SharePoint Server 2016 を含む、大きなロードマップが発表されました。

SharePoint の未来
https://blogs.technet.microsoft.com/microsoft_office_/2016/05/10/the-future-of-sharepoint/

このイベントで発表されたロードマップにしたがい、大きくはスマートフォンやタブレットに対応した新しい UI のリストやライブラリ、そしてページがリリースされました。

これまでの SharePoint サイトは、どちらかというとパソコンでの利用シナリオが多かったように思いますが、これからはスマートフォンを含む様々なデバイスも使いながらファイル共有を行ない、新しいページでは、それらのファイルなどをキュレーションしながらさらに効率良く情報を共有するといった具合になるのかな?と思います。

そして、リストは、後述する PowerApps や Flow とも繋がりますから、来年以降は、いよいよモバイルファーストの流れが SharePoint にもやってきそうです。

SharePoint で PowerApps と Microsoft Flow が利用可能に
https://blogs.technet.microsoft.com/microsoft_office_/2016/11/10/sharepoint-welcomes-powerapps-and-microsoft-flow/

そういえば、スマートフォン、タブレット向けの新しい SharePoint アプリが登場したもの今年でした。

また、今日現在、先行リリースでは利用可能となっていますが、新しく作成されるチーム サイトは、後述する Office 365 グループとも紐付くように構成でき、Office 365 全体を通したチーム・グループ管理が可能となっています。

接続された SharePoint Online チーム サイトを瞬時に作成
https://blogs.technet.microsoft.com/microsoft_office_/2016/11/16/create-connected-sharepoint-online-team/

Exchange Online

多くのユーザーが利用しているであろうメールなどの機能は、変化が少ないように見えますが、機械学習を活用した機能などを中心に地道にアップデートがなされているように思います。

現在も少しずつ各テナントに展開されてる「優先受信トレイ」の機能では、これまでの「低優先メール」の進化版として、より使い易いようにアップデートがなされるようです。

Outlook の優先受信トレイ
https://support.office.com/ja-jp/article/f445ad7f-02f4-4294-a82e-71d8964e3978

また、連絡先の機能では、Outlook on the Web において「よく利用する連絡先」や「今日会う予定の連絡先」、「対応が必要な連絡先候補」など、普段使っているメールのアクティビティとも連携し、自動的に連絡先を選んで表示されるような機能も実装されています。

Skype for Business

Skype に関しては、機能自体の更新はほとんどなかったものの、企業での利用は着実に進んでいるように思います。Office 365 の利用企業が増えていることもあり、社外ユーザーとの会議でも Skype 会議に招待することも、招待されることも増えてきました。

Skype for Business 2016 の新機能
https://support.office.com/ja-jp/article/cece9f93-add1-4d93-9a38-56cc598e5781

クライアントでは、Mac 向けのクライアントがついにリリースされました。

Skype for Business の Mac 用新規クライアントおよびモバイル用の新しい共有機能を発表
https://blogs.technet.microsoft.com/microsoft_office_/2016/10/28/skype-for-business-announces-new-mac/

さらには、iOS10 で利用可能な Skype for Business のアプリでは、CallKit という iOS の新機能に対応し、ロック画面からダイレクトに Skype の音声通話を受けられるようになりました。

A deeper look at Skype for Business integration with iOS CallKit
https://blogs.office.com/2016/11/28/a-deeper-look-at-skype-for-business-integration-with-ios-callkit/

今年の大きな変化は、Skype Web SDK や Skype for Business App SDK など、開発環境が新しく登場したことでしょうか?これにより、独自に開発する Web アプリケーションや、iOS などのアプリからも Skype の機能を利用できます。今後は、こうした SDK を利用したアプリケーションの登場にも期待したいところですね。

Skype Web SDK 紹介
https://blogs.msdn.microsoft.com/tsmatsuz/2016/04/06/skype-web-sdk-for-office365/

Skype for Business App SDK 紹介
https://blogs.msdn.microsoft.com/tsmatsuz/2016/05/12/skype-for-business-app-sdk/

Skype 会議ブロードキャスト

最大 10,000 人向けの大規模配信を行うことができる Skype 会議ブロードキャストですが、国内ではあまり利用事例を聞くことはありませんね。

海外では、Webinar が盛んなこともあり、そうした利用が見られるようです。

Skype 会議ブロードキャストとは
https://support.office.com/ja-jp/article/c472c76b-21f1-4e4b-ab58-329a6c33757d

OneDrive for Business

OneDrive for Business では、昨年末にリリースされた「新しい同期クライアント」を中心に進んできたように思います。Windows 版に加え、Mac 版の提供も開始されており、また、最近のビルドでは、SharePoint サイトのドキュメント ライブラリとの同期も可能になってきています。

従来の同期クライアントは、動作も不安定であったため、新しい同期クライアントでは安定性が向上することを期待したいです。

OneDrive の新しい同期クライアントのリリース ノート
https://support.office.com/ja-jp/article/845dcf18-f921-435e-bf28-4e24b95e5fc0

Office Online / Office 365 ProPlus

Office も Office Online や Office 365 ProPlus の Office 2016 では、共同編集の機能がさらに強化されてきています。特に、Office 365 ProPlus の Office 2016 では、ドンドンと共同編集の機能が実装されており今後も楽しみです。

New to Office 365 in November—new collaboration capabilities and more
https://blogs.office.com/2016/11/29/new-to-office-365-in-november-new-collaboration-capabilities-and-more/

また、こうした Office 2016 の新しい機能は、Office 365 ProPlus のような Office 365 サブスクライバー向けのものにのみ追加されるものも多くなってきました。SVG 画像を利用できたり、アイコン画像を利用できたり、PowerPoint では、新しい画面切替のアニメーションが利用できたりといった感じです。

Office 365 向けの Office 2016 の新しい機能と改善された機能
https://support.office.com/ja-jp/article/95c8d81d-08ba-42c1-914f-bca4603e1426

さらには、Office 365 の特定のプランには、ついに Access も追加されるなど、気になる変更も発表されました。

Microsoft Access を Office 365 Business/Business Premium に追加、機能強化も実施
https://blogs.technet.microsoft.com/microsoft_office_/2016/11/09/microsoft-access-now-included-in-office-365-business-and-business-premium-with-new-enhancements/

冒頭ご紹介した、昨日の初心者備忘録さんの記事にもあるとおり、Visio Online も登場しましたし、やはり Office の動向は見逃せません。

Office 365 ビデオ

ここ最近の企業内で共有されているコンテンツの傾向として、動画が急激に増えてきているように感じます。それに合わせて、Office 365 ビデオの利用も増えています。

今年は、動画共有サービスとして、Microsoft Stream という新しいサービスのプレビューが公開されました。

Microsoft Stream
https://stream.microsoft.com/

Introducing Microsoft Stream: the secure destination to manage and share videos for businesses of all sizes
http://blogs.microsoft.com/blog/2016/07/18/introducing-microsoft-stream-the-secure-destination-to-manage-and-share-videos-for-businesses-of-all-sizes/

この Microsoft Stream は、Office 365 Video の機能をすべて実装し、将来的には Office のソリューションとして展開したいとのことです。なお、Microsoft Stream が正式リリースされる際には、Office 365 Video からの移行も提供されるとのことですが、詳細については来年に持ち越しですね。

Yammer

Yammer に関しても、Office 365 グループとの連携が発表されています。これにより、Yammer のグループから、ドキュメント ライブラリや OneNote が利用可能になります。

Yammer と Office 365 グループの統合によるチームの共同作業の強化
https://blogs.technet.microsoft.com/microsoft_office_/2016/10/18/yammer-strengthens-team-collaboration/

また、Yammer の「ファイル」からも、Office ドキュメント(Word、PowerPoint、Excel)の新規作成や編集を Office Online で直接行えるようになりました。Yammer も地道に機能が進化していますね。OneDrive for Business に保存してあるファイルを直接 Yammer の投稿へ添付できるようにもなっています。

Now you can create and share Office documents while collaborating in Yammer
https://blogs.office.com/2016/10/07/now-you-can-create-and-share-office-documents-while-collaborating-in-yammer/

そういえば、みなさま待望の(?)投稿の編集機能が実装されるようです。これはリリースが待ち遠しいです。

Support editing of Yammer posts – UserVoice
https://yammer.uservoice.com/forums/399627-yammer/suggestions/15612063-support-editing-of-yammer-posts

Office 365 グループ

これまでも何度も名前が出ていた Office 365 グループですが、これからの Office 365 の中心的な存在になるものと考えています。

Office 365 グループの名の通り、実体は Azure AD 上に作成されるグループなのですが、そのグループが Exchange や SharePoint や Yammer や Planner や Teams やなんやかんやと、数多くのサービスに紐付きます。

これにより、一度グループを作成することで、様々な機能を同じメンバーでスグに利用可能となり、Office 365 の活用が進みそうです。

が、管理者目線では、新たに管理・監視する対象ともなりますので、このあたりの運用は少し考えたいところです。

Office Delve

Office 365 Delve は、ユーザーがこのように様々な機能や場面で作成したドキュメントのうち、自身に関わりがありそうなドキュメントを自動的に選んで表示してくれます。

とはいっても、もちろん権限がないドキュメントは表示されませんので、ここに有効なドキュメントが出てくる企業は、それだけ社内で Office 365 を活用した情報共有が進んでいるということかな?とも思っています。特に OneDrive for Bisiness や SharePoint などで共有が進むと、これまで気づかなかったような興味深い社内のドキュメントが多く表示されるようになってきますね。

Microsoft PowerApps

PowerApps は、スマートフォンやタブレット向けのアプリ(ビューやフォーム)を簡単に作成できるサービスです。

Microsoft PowerApps
https://powerapps.microsoft.com/ja-jp/

ブラウザ上でもそうした作成が可能ですので、特別なツールは必要ありませんが、少々知識は必要になるかと思います。Excel マクロでアプリケーションを作成されていたようなレベルの方を想定されているのではないでしょうか?

ここで表示・読み書きできるデータも、SharePoint のリストや Excel ファイル、Twitter などなど、数多くの用意されています。

Connections list for Microsoft PowerApps
https://powerapps.microsoft.com/ja-jp/tutorials/connections-list/

また、作成されたアプリは、スマホ側に PowerApps という専用のアプリを入れて使うことになります。このアプリを通すことで、ストアなどのアプリ配信であるような面倒な手順を行うことなく、気軽に社内に対してアプリを配信できます。

SharePoint の新しい UI のリストとの親和性が高く、リストの画面から直接 PowerApps の作成画面を立ち上げることができます。

Microsoft Flow

先ほどの PowerApps がユーザー向けの UI を作成するものと捉えれば、Flow はアプリケーションのロジックを作成するものになります。

Microsoft Flow
https://flow.microsoft.com/ja-jp/

しかも、PowerApps と同様に、様々な多くのサービスにアクセスすることができます。たとえば、PowerApps のアプリで入力されたデータを、SharePoint のリストに格納し、上司にメールを飛ばす、などといった処理を GUI 上の操作だけで作成することができます。

また、Flow だけで利用した場合には、ブログの更新情報を RSS から取得し、Yammer へ自動投稿するなど、これまで IFTTT や Zapier を利用されていたような処理を作成することもできます。

条件分岐や HTTP API 呼び出しなども出来るので、いろいろなことが出来そうです。

Office Sway

Sway は、簡単な操作でそれなりにカッコいい!Web 上のコンテンツを作成できるサービスです。

私自身は、最近まで Sway 使いづらいなあ…と思っていたのですが、スマートフォンやタブレットのアプリから利用するようになって一気に認識が変わりました。

作業中や外出時の様子をスマートフォンで写真を撮影したものを Sway に追加しておき、戻ってきてからパソコンで説明などを少し追記する…、といった作業の流れで簡単にカッコいいコンテンツになります。

社外の展示会やイベントへの参加レポートや、社内の研修会の参加レポートなど、写真を多く取り入れて手軽に社内へ共有したい場合などに有効かと思っています。

Office Sway
https://sway.com/

Power BI

Power BI では、様々なデータソースを取り込みながら、対話型のグラフを作成し、それを社内などと共有することができます。Power BI についても、今年は毎月のように機能の追加や変更がありました。今後は、SharePoint や 後述する Teams など、様々な場面で Power BI で作成したグラフやレポートを表示し共有できるようになるのではないでしょうか?

Power BI
https://powerbi.microsoft.com/ja-jp/

Microsoft Planner

Planner は、タスク管理のサービスです。これも Office 365 グループに紐付くものです。

使い方は、カードをホワイトボードに貼るようなイメージでチーム内のタスクを洗い出していき、それを「開始前」「進行中」「完了」とステータスに分類するだけです。

しかも分類などの操作はドラッグ & ドロップでもできるので、スゴク簡単な操作です。こうしておくだけで、タスクの進捗状況やチーム内のメンバーの負荷状況がグラフ化して表示されます。

欠点はスマートフォンのアプリが出ていないこと…、早く出てくることを望みます。

Microsoft Teams

Teams は、チャットを中心としたチーム作業のためのサービスです。Teams で作成したチームも Office 365 グループに紐付いています。Microsoft 版 Slack とも言われますし、アドホックにメンバーを決めてチャットも出来るため、LINE や Facebook メッセンジャーのようにも使えそうです。

Bot Framework での開発や、コネクターでの外部サービスからのデータ取り込みなど、こちらも様々なサービスと繋げながら利用ができます。

まだまだプレビュー中ですが、来年以降に利用事例が多く出てきそうな楽しみなサービスです。

Microsoft Teams
https://teams.microsoft.com

Microsoft StaffHub

こちらは、デスクフリーワーカー向けの勤務スケジュール管理(シフト管理)を行うことができるサービスです。このサービスも、プレビュー中ですね。

管理者はパソコンから、メンバーのスケジュール管理を行ない、メンバーはスマートフォンのアプリから、自身のスケジュールを確認できます。

また、メンバー同士でのチャットや、他のメンバーとのスケジュール調整(「ごめん、都合が悪くなったからシフト替わって!」など)を行う、簡単なワークフロー機能も備えています。

デスクフリー ワーカーに最適な新アプリ Microsoft StaffHub のパブリック プレビューを発表
https://blogs.technet.microsoft.com/microsoft_office_/2016/10/03/announcing-the-public-preview-of-microsoft-staffhub-the-new-app-for-deskless-workers/

社内でも、イベント開催時のメンバースケジュール管理などに利用できないかな?と考えています。メンバーに関しては、キオスク プランで利用可能なことも特徴ですね。

Outlook Customer Manager

こちらは、中小企業向け(Business Premium プラン)に提供される簡易的な CRM ですね。将来的には、E3 や E5 へも展開するとのことです。

Outlook Customer Manager をリリース – 中小企業での顧客関係管理を容易に
https://blogs.technet.microsoft.com/microsoft_office_/2016/11/18/introducing-outlook-customer-manager-relationships-made-easy-for-small-businesses/

Microsoft Bookings

こちらも、中小企業向け(Business Premium プラン)に提供されるオンライン予約管理サービスです。例えば、面談や面接の予約管理や、歯科医院など予約管理、店舗の来店受付予約管理などで使えそうです。

Microsoft Bookings で年中無休の予約対応が可能に
https://blogs.technet.microsoft.com/microsoft_office_/2016/09/30/bring-in-business-247-with-microsoft-bookings/

さいごに

こうして Office 365 で提供されている各機能やサービスについて、それぞれ簡単に書いているだけでなかなかのボリュームになってしまいました。こうした多くの機能やサービスが提供される中で、ユーザーはどの機能を使うか?どの機能とどの機能を組み合わせて使ったら良さそうか?などを考える必要がありそうです。ただ、仮に「やっぱり他の機能やサービスを使おう!」とした場合であっても、Office 365 グループを中心に設計されており、メンバー管理や共有されたファイルはそのまま引き継ぐことができます。

Office 365 の機能やサービスも増えていますが、利用するユーザーの年齢も業務も好みもデバイスも多様化しています。企業で画一の機能やサービスを使うという選択肢もありますが、もしかすると、チームやグループといった単位で利用する機能やサービスを選択するといった使い方でも良いのかもしれません。

また、中小企業向けなど、Office 365 のプランにより利用できる機能やサービスに違いが見られてきたのも今年の特徴です。今後もこうした流れが続いていくのでしょうか?少し動向が気になるところです。

来年も様々な機能やサービスの追加や変更がありそうですが、楽しみながらそうしたアップデートを追っていき、Office 365 を企業でどう使うか?を考えていきたいと思います。

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