先日発表された、”新しい” OneDrive クライアントの機能強化により、これまで古いクライアントのみで可能だった SharePoint サイトのライブラリとの同期も “新しい” OneDrive クライアントで行うことができるようになります。
OneDrive brings new file collaboration and management features to the enterprise
https://blogs.office.com/2017/01/24/onedrive-brings-new-file-collaboration-and-management-features-to-the-enterprise/
新しいクライアントでは、同期スピードの向上や、各種制限の緩和などもあり、これまで企業内で OneDrive を利用していなかった企業でも利用を検討されるかもしれません。ただし、新しいクライアントは、個人用の OneDrive.com へも接続できることもあり、管理面で不安や懸念もあるかと思います。
そこで、新しいクライアントでは、管理者はどういった管理や設定が行えるのかを確認していきたいと思います。
OneDrive クライアントの管理は GPO で
OneDrive クライアントの管理を行うために、GPO の管理テンプレートが OneDrive Deployment Package として下記のページで公開されています。このページはすでに翻訳済みでしたが、日本語版の情報が古い可能性もあるので英語版も合わせて記載しておきます。
新しい OneDrive 同期クライアントの管理設定
https://support.office.com/ja-jp/article/0ecb2cf5-8882-42b3-a6e9-be6bda30899c
Administrative settings for the new OneDrive sync client
https://support.office.com/en-us/article/0ecb2cf5-8882-42b3-a6e9-be6bda30899c
この管理テンプレートを、ドメインのグループ ポリシー管理コンソールに取り込み、エディターで表示させると次のようになります。
おそらく多くの管理者さんが気になるのが、個人用 OneDrive への接続を制限するところかと思いますが、その設定はユーザーの構成にある「Prevent users from synchronizing personal OneDrive accounts」になります。既定では未構成ですので、こちらを「有効」にすることで個人用 OneDrive への接続を制限できます。
ポリシー設定変更後にユーザーが個人用 OneDrive の設定を行おうとすると、次のように「このコンピューターの個人用 OneDrive の同期は、組織で許可されていません。」と表示されました。なお、設定の反映には、グループポリシーがクライアントに適用された後、OneDrive クライアントの再起動が必要です。
また、GPO 設定前にすでに個人用 OneDrive の設定が行われていた場合には、OneDrive クライアント再起動後に個人用 OneDrive の同期処理のみが起動しないという動作になるようです。すでに展開済みの場合でも設定を見直すこともできますね。
その他、気になるところとしては、コンピューターの構成にあるアップロード時の帯域幅最大割合の設定「Set the maximum percentage of upload bandwidth that OneDrive.exe uses」などですね。
いずれの設定も、クライアントのレジストリ変更による設定となりますので、GPO を使えない場合にはレジストリをバッチなどで配布することになるかと思います。
クライアントの展開
クライアントの展開は、ユーザーが個別にダウンロードやインストールを行うという方法もありますが、SCCM などで展開する場合には OneDriveSetup.exe の /silent オプションを利用できます。その他のオプションなどは下記のページです。こちらも日本語版と英語版を記載しておきます。
エンタープライズ環境での新しい OneDrive 同期クライアントの展開
https://support.office.com/ja-jp/article/3f3a511c-30c6-404a-98bf-76f95c519668
Deploy the new OneDrive sync client in an enterprise environment
https://support.office.com/en-us/article/3f3a511c-30c6-404a-98bf-76f95c519668
また、クライアントの展開は、Windows 10 または Office 2016 を利用している、個人用 OneDrive クライアントを利用している場合などは不要となっています。
さいごに
その他の管理者側の設定としては、以前にご紹介した「OneDrive 管理センター」の展開も進んでいるようで、Office 365 管理センターからアクセスができるようになっていました。
OneDrive for Business Admin Center のプレビューが開始されました
https://idea.tostring.jp/?p=2431
Office 365 の OneDrive は使いはじめると大変便利な機能です。便利なだけに適切な管理も行っていければと思います。