Microsoft Teams を利用する機会も増えてきて、そこで共有された Excel ファイルをチームのメンバーと同時に共同編集する機会も増えてきました。そんな共同編集の問題点は、同時に編集している誰かがシート内の表でフィルターや並び替えの操作を行うと、他の編集中のメンバーの画面でもフィルターが適用されてしまうという点です。
編集中にパッとデータの表示が変わり戸惑ったことのある人も少なくないのではないでしょうか?そんなときには Excel の「一時シートビュー」を利用すると便利です。今回はその機能をちょっと紹介したいと思います。
一時シートビューを使う
もっとも簡単な使い方は、ブラウザ版の Excel や Microsoft Teams に組み込まれた Excel で編集する方法です。開いた Excel ファイルを他の誰かが編集中に、表でフィルター操作をしてみましょう。このとき、ヘッダーにフィルターの設定がされたものでも良いですし、もちろんテーブルとして設定したものでも大丈夫です。画像は Microsoft Teams に組み込まれている Excel の場合です。
すると、画面に次のようなダイアログが表示されます。他のユーザーも編集中のため、フィルターや並び替えの結果を自分だけに表示するのか、それとも他のメンバーの画面にも表示させるのかを選ぶことができようになっています。ここでは「自分のものだけ表示」を選択しましょう。
すると、自分の画面ではもちろん表に対してフィルターが適用されますが、編集中の他のメンバーの画面はそのままです。一時シートビューにモードが切替ったときには、外側のセルの見出し(A、B、C…、1、2、3… と表示されている部分)の色が変わるのですぐに分かります。
もちろんこのままセルの内容を編集することができます。編集が終わったらリボンメニューの [表示] タブの [シートビュー] から [終了] をクリックしましょう。フィルターをかけた状態を「ビュー」として保持しておくこともできますが、今回はもう不要なので [保持しない] を選択しておきましょう。
リボンメニューからはじめる
リボンメニューから一時ビューをはじめることもできます。リボンメニューの [表示] タブの [シートビュー] から [新規] をクリックしましょう。これで一時ビューモードに切り替わります。
デスクトップ版 Excel の残念仕様
同じように一時シートビューはデスクトップ版の Excel(Microsoft 365 ライセンスで利用できるバージョン)でも利用できます。ただし、デスクトップ版にはちょっと残念な仕様があるんです。それは下記のページに記載されています。
Sheet Views in Excel – Office Support
https://support.microsoft.com/en-us/office/0eea3dc5-d7d1-44c5-a953-25ebfbd6c1a6
該当するのは次の部分です。Notes のところに書かれてあります。
When you use Sheet View in desktop Excel and save your document, any sorts and filters you have made will appear in the Default view for all users. Sheet Views are not affected.
(勝手翻訳)デスクトップ版の Excel でシートビューを利用しそのファイルを保存するとき、ソートやフィルターの結果は他のすべてのユーザーの既定ビューにも反映されます。シートビューは影響を受けません。
つまりは、自分が一時シートビューに切り替えた状態でフィルター操作を行った場合、そのまま Ctrl + S でファイルを保存するか、一定時間経過後に自動保存された場合には、そのときのフィルターの状態が他のユーザーにも反映されてしまいます。それを防ぐためには、ほかもユーザーも一時シートビューを利用している必要があるということです。
この仕様によって、デスクトップ版の Excel で一時シートビューを利用した編集を行う場合には、自分だけでなく他のユーザーにも一時シートビューを利用してもらう必要があります。フィルターなどを利用しながら Excel ファイルを共同編集したい場合には、どうやらブラウザ版の Excel のほうが良さそうですね。
さいごに
Excel ファイルの共同編集には一時シートビューを利用すると、それぞれが自由にフィルターや並び替え操作を行いながらデータを編集できるため大変便利です。ただし、デスクトップ版の Excel を利用する場合には少し残念な仕様があるため注意が必要です。あまり意識せずにみんなにスムーズに使ってもらうには、ブラウザ版や Microsoft Teams に組み込まれた Excel を利用するようにしましょう。
残念ではありますが、このような仕様や制限を理解していれば便利に使えることは確かな機能ですよ。