SharePoint Online のモダンサイトでは、任意のコミュニケーションサイトを組織のホームサイトとして指定することができます。
ホームサイトとして指定することにより、ユーザーが SharePoint Online を利用する際のランディングサイトを提供することができ、より分かりやすく社内の情報を共有できるようになります。
このホームサイトの設定方法を試してみましたのでメモしておきます。
ホームサイトを指定する
ホームサイトを指定するには、まずは、既に作成済みのモダンコミュニケーションサイトが必要です。ここでは、作成したばかりのコミュニケーションサイトを利用します。
つぎに、SharePoint Online Management Shell を利用し、このサイトをホームサイトとして指定します。最新の SharePoint Online Management Shell を利用し、テナントに接続後に次のようにコマンドレットを実行します。
Set-SPOHomeSite -HomeSiteUrl https://tenant-name.sharepoint.com/sites/homesite
HomeSiteUrl
のプロパティに、ホームサイトとしたいサイトの URL を指定するだけです。実行すると、次のように表示されます。
この状態で先ほどのサイトにアクセスすると、「個人用 SharePoint」というリンクがナビゲーションに追加されていることが分かります。ここをクリックすると、 「SharePoint スタートページ」 が開くようです。
また、スマホの SharePoint アプリを開くと、次のように新しいナビゲーションが追加されています。
ユーザーはこのホームサイトアイコンから、簡単にホームサイトにアクセスすることができます。
なお、SharePoint Online Management Shell で設定を行ってから実際の環境に反映されるまでには、少し時間がかかる場合があるようです。
ホームサイトの URL をルート URL に変更する
SharePoint Online では、後から作成したサイトは「/sites/」または「/teams/」といったパス配下の URL を用いて作成されます。組織のランディングサイトとなるホームサイトをルート URL である「https://tenant-name.sharepoint.com」に変更しておくことで、より分かりやすくなります。そこで今回は、ホームサイトの URL をルート URL に変更します。
この変更にも SharePoint Online Management Shell を利用し、次のようにコマンドレットを実行します。
Invoke-SPOSiteSwap -SourceUrl https://tenant-name.sharepoint.com/sites/sourcesite -TargetUrl https://tenant-name.sharepoint.com -ArchiveUrl https://tenant-name.sharepoint.com/sites/archiveroot
SourceUrl
プロパティには、URL を変更したいサイト(今回の場合はホームサイト)を指定し、TargetUrl
プロパティに変更後の URL(今回の場合はルート URL)を指定します。そして、ArchiveUrl
プロパティには、元のルートサイトをアーカイブとして保存しておく先となる URL を指定します。
実行後に SourceUrl
プロパティに指定したサイトにアクセスすると、自動的にリダイレクトされ、TargetUrl
プロパティに指定した URL で開かれます。
これで、より短い URL でホームサイトにアクセスできるようになりました。
ホームサイトの制限など
このホームサイトは、テナントに 1 つのみを指定することができ、ホームサイトをハブサイトとして設定することもできます。
また、ホームサイトの上部にある検索窓から検索を実行した場合、検索の対象はテナント全体となるようです。
そして、ホームサイトは自動的に「組織のニュースサイト」として指定されます。
「個人用 SharePoint」とは?
ところで、ナビゲーションに追加された「個人用 SharePoint」リンクの動作をもう少しだけ見てみましょう。リンクをクリックすると、次のように表示がされます。
コンテンツとしては、元々 Office 365 のホーム画面から「SharePoint」をクリックした先にあった「SharePoint スタートページ」なのですが、上部にはホームサイトのナビゲーションが表示されています。
これは、 Office 365 のホーム画面や左上の「SharePoint」をクリックした場合も同様で、ユーザーは SharePoint の利用中には、いつでもホームサイトにある「SharePoint スタートページ」に戻ることができるようです。
ただし、「個人用 SharePoint」というリンク名はとても分かりずらいので、変更しておきたいところです。(英語名では「My SharePoint」のようですね)
と、ここで不便なのが、ホームサイトでリンク名を変更しても、スタートページのナビゲーションには即時に反映されません。ホームサイトの設定変更後に 2 時間ほど待っていたら反映されました。
さいごに
メッセージセンターを確認すると、この SharePoint Online のホームサイトの機能は、ターゲットリリーステナントの環境には既に 11 月末ごろから展開が開始されており、全てのテナントに対しては 2020 年 1 月末ごろまでには展開が完了するようです。
SharePoint Online でモダンサイトを利用する場合には、必ず確認しておきたい機能ですし、特にスマホの SharePoint アプリを利用する場合には設定しておくと便利になりそうな機能だと思います。
詳しくは下記のリンク先をどうぞ。
SharePoint home sites: a landing for your organization on the intelligent intranet
https://techcommunity.microsoft.com/t5/microsoft-sharepoint-blog/sharepoint-home-sites-a-landing-for-your-organization-on-the/ba-p/621933
組織のホームサイトをセットアップする
https://docs.microsoft.com/ja-jp/sharepoint/home-site
これで、SharePoint Online モダンサイトを構築するにあたって、コミュニケーションサイトやハブサイトに加えて、ホームサイトも利用できるようになりました。