Microsoft Build 2020 で発表された「Microsoft Lists(Microsoft リスト)」とは一体何なんだろう?気になりますよね。
SharePoint リストとは何が違うの?何が出来るようになるの?
というわけで、ちょっとだけ調べてみました。調べてみると、Microsoft リストの登場が楽しみになりましたよ。
Microsoft リストは SharePoint リストの進化系だ
まずは、TechCommunity の SharePoint ブログをチェックしてみましょう。
Microsoft Lists – evolving the value of SharePoint lists and beyond
https://techcommunity.microsoft.com/t5/microsoft-sharepoint-blog/microsoft-lists-evolving-the-value-of-sharepoint-lists-and/ba-p/1400714
この記事のタイトルがまさに、Microsoft リストは SharePoint リストの価値を進化させたものだと述べています。
まずはここで Microsoft リストを理解するためにチェックしておくべきところを見ていきます。
リストはリストでありリストはリストである
これまで SharePoint を利用しているユーザーさんは、リストを利用し様々な業務の情報を保存したり、利用したりしてきました。SharePoint を利用するにおいて、リストはとても重要な存在でありました。
Microsoft リストは SharePoint リスト以上の進化、衝撃を与えてくれるもののようですねー。
というわけで、Microsoft リストが登場すると、いま利用している SharePoint リストも Microsoft リストの機能の恩恵を受けられると書かれてあります。Microsoft リストは SharePoint リストと同じ、リストであるというわけですね。
もちろん、Power Platform を利用してフォームのカスタマイズや自動処理、ワークフローを拡張することも可能なようです。
Microsoft リストで提供されるもの
Microsoft リストで提供されるものとしては、次の 4 つがあるようです。
- SharePoint リスト
- 新しいリストホームページ(Web)
- Microsoft Teams 内のリスト
- モバイルアプリ
どうやら新しいリストのホームページが登場するようです。リストとしてひとつのサービスのように独立する見え方ですね。
そして何より、Microsoft Teams でも利用できるあたりが、いまの Microsoft の方向性を表しているように思えます。
Microsoft リストは SharePoint サイトに保存される
この記事を注意深く読んでいくと、Microsoft リストは SharePoint サイトに保存されていると書かれています。ただし、そのリストに対しては、SharePoint のチームサイトのほかに、リストのホームページであったり、Microsoft Teams 内からもアクセスができるもののようです。
Microsoft リストで提供される機能をもっと知りたい
それでは、Microsoft リストの機能をもう少し見ていきましょう。
Announcing Microsoft Lists – Your smart information tracking app in Microsoft 365
https://techcommunity.microsoft.com/t5/microsoft-365-blog/announcing-microsoft-lists-your-smart-information-tracking-app/ba-p/1372233
今度は Microsoft 365 ブログの記事です。
まず、Microsoft Build 2020 で発表したのは、大きくは次の 4 つです。
- Microsoft リストホームページとモバイルアプリ
- Microsoft Teams で利用できるリスト
- Microsoft リストのテンプレート
- ビューのカスタマイズ、ルール、共有
Microsoft リストホームページとモバイルアプリ
まずは、Microsoft 365 のアプリランチャー(ワッフル)から、Microsoft リストのホームページに飛ぶことができます。
この Microsoft リストのホームページでは、既にあるリストから新しいリストを作成したり、Excel のテーブルをインポートしてジャンプスタートすることもできるみたいです。
このあたりは、いまの SharePoint モダンリストと同じような機能ですね。それが Microsoft リストのホームページから利用できます。
このホームページでは、自分が所有していたり共有しているリスト、お気に入りのリストなども確認できるみたいです。そして、このリストには、個人で所有し共有できる「個人リスト」と、チームメンバーで所有する「チームリスト」があるようですね。
そして、これらをモバイルアプリからも確認できるというわけです。
簡単な操作はデモで体験することができます。
Microsoft Lists – create a list
https://demobuilderwebcpptxz.blob.core.windows.net/microsoft-lists-create-a-list/startdemo.html
リンク先にアクセス後、「Localization」で「Japanese」を選択して、「Begin demo」をクリックしてください。電話番号などの入力は不要です。
Microsoft Teams で利用できるリスト
いまの方向性として、コラボレーションの中心は Microsoft Teams です。Microsoft Teams でも Microsoft リストにより、グリッド、カード、カレンダーなどの様々なビューを利用して共同作業を行うことができます。
これによって、コンテンツと会話(チャット)が統合されるというわけですね。
すでにあるリストを Microsoft Teams に追加したり、Microsoft Teams 上から直接新しいリストを作成することができるようですよ。
Microsoft Teams にはリストアプリが追加されるみたいで、このアプリを利用してリストの利用や作成ができるようです。
Microsoft リストのテンプレート
Microsoft リストでは、特定のユースケースに合わせたテンプレートを用意しています。これによってリストの基本的な構造だったり、条件付き書式、フォームなどが簡単に展開できます。
これを見て参考にしたり、修正したりして利用できるというわけですね。
他にも既存のリストから構造や書式をコピーしてリストを作成したり、Excel テーブルをインポートして作成することもできます。
ビューのカスタマイズ、ルール、共有
このリストはカスタマイズできるみたいです。
リストのビューにはリスト、グリッド、ギャラリー、カレンダーの 4 種類があるみたいですね。グリッドが最初に表示されるビューで、データを編集するのに向いています。リストは、グリッドと同じような見た目ですが、グリッドのような編集機能は持っていません。ギャラリーは画像を含んだリストを表示するのに最適で、日付を含んだものはカレンダーを利用することができます。
SharePoint モダンリストでもカレンダービューを利用したいといった要望が多かったので、これは嬉しい情報ですね。
そして、これらのビューでは条件付き書式も利用できるみたいです。アイテムの値によって背景色を変えたりなどですね。
そしてルール。ルールでは「もしも~~なら~~をする」という形で処理を登録しておけるようです。アイテムが更新されたら通知を送るとかですね。
そして共有も面白そうです。リスト全体を共有するときに、編集や読み取り専用権限を設定できるのはもちろんなのですが、個々のアイテムを共有するときにも、編集の許可、有効期限の設定、アクセスするためのパスワード要求などを設定できるようになるみたいです。SharePoint や OneDrive のドキュメントの共有に近づきましたね。
そして、共有されたリストやアイテムに対してコメントを追加できるというのも面白そうですね。
SharePoint クラシックリストはどうなるの?
こちらも気になるところですが、Microsoft 365 ブログのコメントを読むと、クラシックリストを非推奨にする計画はないと述べられていました。今も本番運用として多くのクラシックリストが利用されているのを Microsoft も把握しているし理解しているとのことでした。
もっと詳しく知りたい
もっと詳しく知りたい方は、この記事中で紹介したブログをご覧いただくほか、次の動画ではデモ付きで説明されています。
そしてこちらが情報がまとまっているリソースセンターとのことです。
Microsoft Lists | Microsoft Tech Community Resource Center
https://resources.techcommunity.microsoft.com/microsoft-lists/
発表されたばかりにしては、情報がそこそこある気がします。
いつから使えるの?
早く使ってみたいですよね。Microsoft では、この Microsoft リストの展開を今年の夏の後半ごろから開始する計画のようです。モバイルアプリは今年後半とのこと。
楽しみですねー!
さいごに
新しい Microsoft リストは、SharePoint リストに比べて簡単にカスタマイズができる柔軟性にも期待したいところですね。何かしらのデータの管理が Microsoft リストを利用して出来るのももちろんですが、個人的にはモバイルアプリでの利用が楽しみですね。
今回の Microsoft リストの発表によって、SharePoint の立ち位置が明確になってきた気がします。SharePoint は、従業員が気軽に利用できるドキュメントの管理・保管と、企業内のイントラサイトに注力していくのではないでしょうか?
Microsoft 365 + kintone(サイボウズ)で行っていた業務もあるので、これが Microsoft 365 で完結できると嬉しいのですが…。さてどうなることやら。夏以降の登場を楽しみに待ちたいと思います。