Microsoft Teams でも Web 会議のときにカメラの背景画像を使えます。この機能はユーザーからも好評のようですね。Microsoft Teams ではあらかじめ Microsoft が用意したいくつかの背景画像から選択できることもあり、簡単にスグに使いはじめることができます。
Microsoft Teams で Web 会議のカメラ背景を画像に変える
https://idea.tostring.jp/?p=5259
また、近々のアップデートによって自分の好きな画像をアップロードして背景画像に利用できるようになるようです。
一方では、ユーザーがあまり適切ではない画像であったり、機密情報を含んだ画像を背景にするなどの可能性もあることから、管理者の中には「この機能を無効化したい」と考える方もいるかもしれません。
カメラ背景画像の利用に制限を設ける方法を検証しましたので、自分でも忘れないように書いておきます。
設定の事前準備
この設定は、PowerShell で行う必要があるのですが、Microsoft Teams のサーバー側の細かな機能の制御は Skype for Business Online の PowerShell モジュールを利用します。
まずはダウンロードしてインストールしておきましょう。
Office 365 PowerShell を使用して Skype for Business Online を管理する
https://docs.microsoft.com/ja-jp/office365/enterprise/powershell/manage-skype-for-business-online-with-office-365-powershell
インストールが終わったら Import-PSSession
まで進めておきます。
会議ポリシーを作成する
今回のような会議中にユーザーが出来ることを許可したり制限したりするときには、会議ポリシーという仕組みを利用します。そのためまずは、Microsoft Teams 管理センターから新しい会議ポリシーを作成します。
Microsoft 365 管理センターから Microsoft Teams 管理センターを開き、[会議] – [会議ポリシー] と進みます。
ここで、既定でいくつかポリシーが作成されていると思いますが、今回は新たに会議ポリシーを作成したいので [追加] をクリックします。
会議ポリシーの名前と説明を入力し、保存しておきましょう。
会議ポリシーのカメラ背景画像の設定を変更する
先ほどの会議ポリシーを作成するときに設定項目にざっと目を通されたかと思いますが、カメラ背景画像の設定はありません。この設定は今のところ PowerShell で行う必要があります。
それではインストールしておいた Skype for Business Online のモジュールで Import-PSSession
まで進めておきましょう。
そうしたら次のコマンドを実行し、テナントに作成済みの会議ポリシーの一覧を取得します。
Get-CsTeamsMeetingPolicy
表示されるポリシーの一覧から、先ほど作成したポリシー名が Identity に入っているポリシーを探します。例えば先ほど「BlurOnly」という名前のポリシーを作成したとすると、「Tag:BlurOnly」という Identity のポリシーがあるはずです。
次に、このポリシーのカメラ背景画像の設定を変えていきましょう。
Set-CsTeamsMeetingPolicy -Identity BlurOnly -VideoFiltersMode BlurOnly
Identity に指定する値は、設定を適用したいポリシー名に応じて変更してください。「Tag:」を入れても入れなくても構いません。VideoFiltersMode で指定できる設定がカメラ背景画像に関する設定であり、指定できる値には次の 4 種類があるようです。
設定値 | 説明 |
---|---|
AllFilters | ユーザーがアップロードした任意の背景画像を含め、すべての背景効果を利用可能 |
BlurAndDefaultBackgrounds | 背景のぼかしと既定で用意されている画像を利用可能 |
BlurOnly | 背景のぼかしのみ利用可能 |
NoFilters | すべての背景効果を利用不可 |
設定されるとすると、AllFilters か BlurAndDefaultBackgrounds などでしょうか?設定値によって背景の設定パネルの表示が異なります。
今回は BlurOnly なので、背景のぼかしのみが選択可能になります。
会議ポリシーをユーザーに適用する
さて、会議ポリシーは作成しただけではユーザーに設定は反映されません。ユーザーに対してポリシーを適用する必要があります。
Microsoft Teams 管理センターに戻り、[ユーザー] を開き、設定を適用したいユーザーの [ポリシーを表示] をクリックします。すると、ユーザーに割り当て済みのポリシーの一覧が表示されますので、[編集] から会議ポリシーを変更します。
これで設定が完了です。実際にユーザーにポリシーが反映されて動作が確認できるまでは数時間待つ必要がありますので注意してください。今回の検証時には、およそ 2 時間から 3 時間ほど待ちました。
ユーザー全員を手動で設定するのは無理だと思いますので、実際の運用では次のようなコマンドレットで設定を行うことになると思います。
Grant-CsTeamsMeetingPolicy -Identity john@contoso.com -PolicyName BlurOnly
Identity にはポリシーを適用したいユーザーを、PolicyName には適用したい会議ポリシーの名前をそれぞれ指定します。
さいごに
Microsoft Teams に限らず Office 365 で提供されているサービスは本当に細かな設定を行うことができます。
しかしながら細かく設定を管理していこうとすると運用が破綻してしまいます。必要なところを見極めながら設定を考えていきたいですね。