Microsoft 365 Copilot ユーザーにとって、Microsoft Teams の Copilot でもっとも嬉しい機能といえば、会議の要約を自動作成してくれる機能ではないでしょうか?
この機能は、Microsoft Teams の機能である文字起こしをベースとしており、その内容を Copilot が要約することで実現されているようです。そのため、そもそも文字起こしが上手くいかない場合には、要約もいまいちなものとなってしまいます。
この文字起こしの精度を高めるためのユーザー辞書について書き残しておきます。
やっかいな社内用語
特に問題なのは、社内にある独自用語です。Microsoft Teams の文字起こしは、一般的な用語はかなり正確に認識してくれますが、独自用語はまるでダメなケースも少なくありません。自社の会社名ですら、上手く認識してくれないということもあります。
そうした状況に対応すべく Microsoft 365 Copilot ユーザー向けに追加されたのが、Microsoft Teams の会議用にカスタムできるユーザー辞書です。CSV 形式で用語と読み方を登録しておくことで、Microsoft Teams の文字起こしの精度が上がることが期待できます。
Microsoft 365 管理センターの設定
現在のところユーザー辞書はテナント単位で管理するもののようです。Microsoft 365 管理センターから Copilot の設定を開き、[その他の設定] タブから [Copilot ユーザー辞書] により確認できます。

設定に必要な CSV ファイルは、アップロード画面からダウンロードすることができます。試しに [ヘッダーとサンプル辞書情報を含む CSV テンプレートをダウンロードします] をクリックすると、次のような CSV ファイルを入手できました。
Term (required),Sounds like,Long form of the term (for acronyms),Definition and context
TAC,Tee-Ay-Cee,Teams Admin Center,Admin portal managing Teams
TAT,Tee-Ay-Tee,Turn Around Time,Metrics used to applied by support team
Viva Glint,Vee-Vah-Glint,,Part of Microsoft Viva
最初の項目「Term (required)」に用語の表記を、「Sounds like」に読み方を記入します。日本語の場合、読み方は、ひらがな、または、カタカナでも大丈夫なようです。まずは、つぎのように書き換えてアップロードしてみます。
Term (required),Sounds like,Long form of the term (for acronyms),Definition and context
拝承,はいしょう,,聞くこと、了解した旨
拝受,はいじゅ,,受け取ること
首記の件,しゅきのけん,,冒頭に伝えた話題
アップロードするファイルごとに言語を選択する必要があるので、日本語なら日本語用のファイル、英語なら英語用のファイルと、それぞれ言語ごとにファイルを分ける必要があります。新たな用語を追加するには、アップロード済みの CSV ファイルをダウンロードして追記したあと、アップロードし直すことで上書きされるようです。

さて、本当に効果があるのか、今後少し時間をかけて検証してみようと思います。
さいごに
新たに追加されたユーザー辞書は、機能としてはかなり期待できるものですね。実際こうした機能はユーザーからの要望も多く、待望の機能のひとつとも言えるのではないでしょうか。その効果がいかほどのものなのかは、今後検証して確かめていきたいと思います。
しかし大きな問題は、この辞書をどうやってメンテナンスしていくのかという運用面ですね。辞書に登録したい用語をユーザーから募るなど、何かしらの仕組みづくりが必要になるかもしれません。
ちなみに、この機能の公式なリファレンスは、下記のリンク先です。詳しい説明などについてはリンク先を合わせてご確認ください。
Microsoft Teams会議やイベントのユーザー辞書を管理する – Microsoft Teams | Microsoft Learn
https://learn.microsoft.com/ja-jp/microsoftteams/copilot-custom-dictionary
うまく利用できれば強力な機能になりそうです!

